派遣薬剤師のお役立ち記事

日本調剤が病院向け「産休・育休代替薬剤師派遣サービス」を開始

7月5日のリリースですが、日本調剤が病院向けに「産休・育休代替薬剤師派遣サービス」を開始するという発表がありました。

日本調剤では、元々子会社のメディカルリソースで薬剤師の派遣サービスを展開していますが、今回の発表は本体の日本調剤株式会社で労働者派遣事業の許可を取得し、病院向けに薬剤師さんを派遣するというサービスを運営するというものです。

本日は、日本調剤の「産休・育休代替薬剤師派遣サービス」の概要および、病院への薬剤師派遣について整理してみます。

病院への薬剤師派遣

通常、病院への薬剤師派遣は労働者派遣法で禁止されています(労働者派遣法第四条)。

第四条 何人も、次の各号のいずれかに該当する業務について、労働者派遣事業を行つてはならない。
一 略
二 略
三 警備業法(昭和四十七年法律第百十七号)第二条第一項各号に掲げる業務その他その業務の実施の適正を確保するためには業として行う労働者派遣(次節並びに第二十三条第二項、第四項及び第五項において単に「労働者派遣」という。)により派遣労働者に従事させることが適当でないと認められる業務として政令で定める業務

「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行令」の第二条に明示されています。

第二条
三 薬剤師法(昭和三十五年法律第百四十六号)第十九条に規定する調剤の業務(病院等において行われるものに限る。)

医師、歯科医、看護師などの医療従事者についても、薬剤師同様病院への派遣は基本的には禁止されています。これは、チーム医療の観点から以下のような問題が想定されていたためです。

1. 医療機関側が、医療スタッフを事前に特定できない
2. 医療スタッフの異動が頻繁になり、職場でのコミュニケーション不足などから医療ミスにつながる恐れがある
3. 派遣会社の都合により、医療スタッフの異動を余儀なくされるおそれ。
4. 派遣労働者は、派遣元企業の職員でありながら、医療機関の指揮命令下にあることになり、医療提供上の責任の所在が分散するおそれがある。

医療サービスの特徴として、

・医療=人の生命・身体を預かるサービス
・一人の医師の活動だけでは完結せず、他の医師、看護師、理学療法士などの様々な医療スタッフの連携(=チーム医療)があって初めて成り立つもの。
・安全な医療の提供には、最新の注意が必要。

ということもあり、短期での就労が発生し得る派遣という働き方は基本的には認められていませんが、

  • 紹介予定派遣(※)
  • 産前・産後休業、育児休業、介護休業を取得した労働者の代替

の2つの場合に関しては例外として認められています。

(※)紹介予定派遣とは、派遣社員として勤務をした後(最長6ヶ月)、本人と病院の双方合意のもとに直接雇用契約(正社員、契約社員)に転換する働き方のことです。派遣社員としての勤務ではありますが、基本的には長期的に勤続することを前提とした働き方です。

日本調剤から発表があった「産休・育休代替薬剤師派遣サービス」というのは、その名前からも明らかなように後者の「産前・産後休業、育児休業、介護休業を取得した労働者の代替」に該当する場合の薬剤師派遣です。

日本調剤の「産休・育休代替薬剤師派遣サービス」

これまでも労働者派遣法では産休・育休・介護休業の場合の薬剤師派遣は認められていましたので、それ自体は目新しいことはありません。では、今回の日本調剤のサービスはこれまでの病院への薬剤師派遣と何が違うのでしょうか?

今回の日本調剤からのリリースには、以下の記載があります。

日本調剤の薬剤師派遣サービスは、派遣先での就業期間中のみ雇用関係が発生する「登録型派遣」ではなく、日本調剤の従業員(無期雇用)である薬剤師を派遣する「常用型派遣」として、提供いたします。

「登録型派遣」と「常用型派遣」という言葉が出てきました。一般的に、人材派遣というと「登録型派遣」の場合が多いですが、そもそも「登録型派遣、常用型派遣て何?」という方のために、簡単に説明しておきます。

登録型派遣 常用型派遣
概要 派遣社員として勤務を希望する方が、あらかじめ派遣会社に登録を行っておき、実際に派遣先のお仕事が決定した際に雇用される(労働契約が締結される)。 派遣会社と労働者が期間を定めない労働契約を締結するもの。
労働契約期間 派遣社員として仕事をしている期間が労働契約期間となるため、派遣が終了すると労働契約も終了します。 派遣社員として仕事をしていない期間も、派遣会社との契約が継続する。
福利厚生 労働契約が締結されている期間は、派遣会社の社会保険や年次有給休暇の権利があるが、労働契約が終了すると権利も喪失する。 社会保険や年次有給休暇は、一般労働者と同様に保障される。

病院への薬剤師派遣の場合、産休・育休で休まれている薬剤師さんの代替なので、1年から長くても2年以内で派遣は終了するものでした。派遣終了後に次の就業先を探すことについての不安という点では、リリースの中でも

派遣先での産休・育休代替業務が終了した後でも日本調剤の従業員であり続けるため、業務終了後の就業先の不安なく、安心して病院先での業務に集中できるというメリットがあります。

と記載されているように、常用型雇用であることで、収入面などの不安が低減する内容になっているようです。

今後病院への薬剤師派遣に関して、日本調剤とメディカルリソース(ファルマスタッフ)との棲み分けがどうなっていくのかわかりませんが、当面は「産休・育休代替薬剤師派遣サービス」については東京本社のみで行うということなので、東京以外のエリアではこれまで通りメディカルリソースで病院への薬剤師派遣を行っていくようですね。

 

薬剤師さんが派遣として働くメリットとデメリットをまとめた記事もありますので、参考にしていただけると嬉しいです。

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