薬剤師の転職お役立ち情報

薬剤師の職場/職場別のお仕事内容/給与水準

世の中の普通の人からすると、「薬剤師」と聞くとお仕事の名前のように思いますが、「薬剤師」といっても薬剤師資格を必須とする仕事から、薬の専門家としての知識や経験をいかした仕事まで、職場によって薬剤師さんのお仕事内容は様々です。

ここでは、薬剤師さんが就業する代表的な職場として、医療施設(病院・診療所)、調剤薬局、ドラッグストア、および製薬企業、治験業界(CRO、SMO)の仕事内容をお伝えします。なお、薬剤師さんの職場別就業者数は以下の通りです。圧倒的に薬局が多く、その次に病院が続きます。

職場
就業者数(割合)
薬局
172,142(57.1%)
病院
52,145(17.3%)
診療所
5,899(2.0%)
大学(研究・教育)
4,523(1.5%)
医薬品関係企業
42,024(13.9%)
衛生行政機関又は保健衛生施設
6,813(2.3%)

(厚生労働省「平成28年(2016年)医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」より)

業務内容編

薬剤師さんの主要な就業先である、調剤薬局、病院・診療所、ドラッグストア、製薬会社・医薬品卸、治験業界の業務内容についてご紹介します。

調剤薬局

調剤薬局では、調剤業務とそれに付随する服薬指導、薬歴管理が主な業務内容です。

調剤

患者さんから処方せんを受け取り、薬歴などを確認します(処方監査)。ここで問題や疑問点があれば、処方した医師に問い合わせます(疑義照会)。処方せんの確認を終えると、処方せんをもとに正しく調剤を行います。その後、調剤した薬が正しいことを、別の薬剤師が監査します。

服薬指導

処方された薬を正しく使用していただけるよう、薬の効能、飲み方や注意点について患者さんに説明をします。事務的に必要最低限のことをお伝えするだけではなく、患者さんの状態を理解しながら丁寧にアドバイスをすることで、飲み忘れや誤った服用が無いようにします。

薬歴管理

患者さんが服用している薬の内容、副作用歴などを記録します。

薬歴管理は、その後の服薬指導の参考になります。患者さんの治療履歴をしっかりと管理することで、副作用を伴う薬の重複投与を避け、患者さんの安全を保証するためのものです。

病院・診療所

病院においても、調剤薬局と同様に主として調剤業務を行います。ここでは、病院における調剤以外の業務である、製剤、DI業務(医薬品情報提供)、薬剤病棟業務についてお伝えします。

製剤

患者さんの病態やニーズに対応するために、市販の医薬品では対応できない薬を医師の求めに応じて調製します。注射薬の調剤もあります。一部の調剤薬局でも無菌室での調剤を行う店舗はありますが、病院でも無菌室での調剤を行います。

DI業務(医薬品情報提供)

医薬品を正しく使用するために、医薬品に関する情報を収集・整理し、医師をはじめとした医療従事者や患者さんに提供します。また、副作用についても情報を収集し、新たに確認された副作用は国に報告をします。

医療現場を運営するにあたり、薬の専門家として医師や看護師に医薬品に関する情報を提供することで、チーム医療を支えます。

薬剤病棟業務

外来・入院患者さんに対する通常の調剤業務や服薬指導の他、処方前に患者さんの状況の把握を行い、医師とともに処方の設計と提案業務や、退院後も薬物療法が継続できるように患者さんの相談にのりアドバイスを行います。

ドラッグストア

ドラッグストアでというと、OTCの販売が思い浮かびますが、調剤に力を入れるドラッグストアもあり、中でもスギ薬局、ウェルシアホールディングス、クスリのアオキ、カワチ薬品では調剤専門または調剤併設の店舗の比率が高いです。OTCの販売であれば、登録販売者の資格があれば販売をすることも出来ますが、スイッチOTCの取り扱いや、調剤併設店舗の増大を受け、ドラッグストアにおける薬剤師のニーズも益々高まっています。

ドラッグストアでは、調剤薬局と同様調剤業務のみを行うこともあれば、OTC販売やドラッグストアの店舗運営を担当することもあります。仕事の幅は企業によって大きく異なります。また、OTC販売においては、調剤併設の店舗で基本的には調剤業務を行いながらお客さんにOTCについて聞かれたら対応するというスタンスの企業もあれば、社内研修でOTCについての知識をしっかりとつけ、お客さんのニーズに合う薬をしっかりと提案するというスタンスの企業もあります。業務のやり方・手順の違いではなく、業務そのものが企業によって大きく変わってきますので、実際の業務内容は企業ごとによく確認しましょう。

製薬会社・医薬品卸

調剤薬局と同様に、医薬品関係の企業でも医薬品を安全に取り扱ったり医薬品の品質管理を行うために、管理薬剤師を設置する義務があります。また、医薬品の適切な情報提供のために、DI職を設置しています。

管理薬剤師

製薬会社だけではなく、医薬品卸、化粧品会社などにも管理薬剤師は設置されています。

管理薬剤師には、いくつかの仕事があります。まず、薬事、医薬品の品質管理業務として、医薬品が適正に保管され品質が保たれているか、麻薬などが規定通りに保管されているかなどを確認します。また、DI業務として、取引先各社の医薬品関連の問い合わせ対応や、厚生労働省への新薬の申請に向けた情報の収集などを行います。

基本的にデスクワークが中心で、医療施設や調剤薬局と異なり土日祝祭日はお休みの職場がほとんどです。

DI(Drug Information:医薬品情報管理)

製薬会社は、自社の医薬品が安全かつ有効に正しく使ってもらう必要があります。また、自社の医薬品をより多く使ってもらうために、医師や薬剤師に対して、MRなどを介して適切な情報提供を行う必要があります。

DIは、医薬品の情報に責任を負い、情報の収集・整理・提供する仕事です。医薬品のマーケティングにも活用される情報を扱うため、自社製品だけではなく、他社の新薬情報についても、効能や副作用などの情報を収集します。

管理薬剤師と同様、基本的にデスクワークが中心で、医療施設や調剤薬局と異なり土日祝祭日はお休みの職場がほとんどです。

治験業界

現在は、薬の開発業務のうちモニタリング業務の多くは製薬企業から外部の会社であるCRO各社に外注されています(CRA職)。また、医療機関において治験をサポートするCRC業務も、特に診療所においては多くはSMO各社に外注されています。

最近ではがん領域の治験が多く、既存の薬では治療できない患者さんが治験に参加されることがよくあります。治験薬が効果を上げ、新薬として承認されることが患者さんの命を救うということを実感できる仕事です。もちろん、慢性期の疾患の治験もたくさんあります。

CRA職(Clinical Research Associate:臨床開発モニター)

治験は、GCPや治験実施計画書にしたがって適切に実施される必要があります。CRAは、治験がGCPや治験実施計画書から逸脱することなく、適切に実施されているかを確認し、正確なデータを収集する仕事です。

CRAは、製薬会社の開発部署や治験を実施する医療機関の医師やCRCとのコミュニケーションを通じて、治験が適切に実施されていることを確認し、またスムーズに進行するためのサポートを行います。なお、CRAは被験者(患者)とのコミュニケーションはありません。

CRC職(Clinical Research Coordinator:治験コーディネーター)

治験責任医師・分担医師の指示のもとに、治験の選定基準に合致する被験者候補の探索や、治験に参加した被験者が治験実施計画書から逸脱することなく治験を進行させることをサポートします。症例報告書の作成サポートなど、事務作業やSDVの対応など、治験業務全般をサポートします。

CRCは、医師だけでなく、看護師や薬剤師、臨床検査技師など、院内のあらゆる関係者とコミュニケーションし、治験が適切かつ滞りなく進行することをサポートします。また、被験者(患者)とのコミュニケーションが多く発生します。

給与水準編

ご紹介した職種別の給与水準をご紹介します。

職場 給与水準 特徴
病院 400~550万円 薬剤師の就業者数は調剤薬局よりも少ないが、スキルアップの点から薬剤師には人気の仕事。就業希望者に対して求人は少なく、給与は低め。
調剤薬局 450~700万円 薬剤師の最大の就業先。大手と中小の薬局では給与水準が異なり、大手では500~600万円くらいのところ、中小では450~700万円と給与の幅が大きくなる。
ドラッグストア 500~650万円 商品の積み下ろしやレジ対応など、OTC販売や調剤以外の業務イメージがあることや、勤務時間が長い(遅い)ということで、調剤薬局よりも人気は低めだが、給与は高め。
CRO(CRA) 400~800万円 薬剤師資格は必須では無いものの、薬剤師資格保有者が多い。会社によって給与差も大きく、外資系のCROだと高給が期待出来る一方、ハードワークが求められます。
SMO(CRC) 350~650万円 CRA同様薬剤師資格は必須では無いですが、医師や患者さんとのコミュニケーションが多く、医療現場における臨床経験があることが好まれます。CRAよりは給与水準は低めです。

【必見】現役薬剤師/薬局人事の語る薬剤師の給与アップ方法まとめ」でご紹介した通り、薬剤師さんの給与水準は業種による差が大きいです。また、同業種内でも、例えば調剤薬局では大手企業よりも中小企業の方が入社時の給与交渉がしやすく、高い給与が提示される可能性が高いといった特徴があります。

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