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大手チェーン薬局と中小薬局、転職するならどっち?(給与/働きやすさ/買収後のリスク)

大手チェーン薬局と中小薬局、転職するならどっち?(給与/働きやすさ/買収後のリスク)

転職活動をした際に、大手薬局と中小薬局の両方から内定をもらう場合や、どちらが良いのかわからないという方もいらっしゃるでしょう。私は、新卒で大手チェーン薬局に入社し、その後、子供が生まれた後は中小薬局でパートとして働いています。そこで、私の経験を踏まえて、チェーン薬局と個人薬局の働き方の違いを解説致します!

給与相場

給与自体は、チェーン薬局よりも、個人薬局のほうが高い場合が多いです。

大手薬局には、薬剤師専用の給与テーブルが設計されていますが、概ね勤続年数と年齢を元にベース給与が設定されています。そこに地域手当や役職手当等を追加していくイメージです。給与テーブル設計時には、他社のチェーン薬局の給与を参考に作られているので、大きくチェーン薬局同士で変わる事は無いです。

参考までに、大手薬局の平均給与を調べてみましたが、どこも450万円~550万円の間に収まっています(アインファーマシーズは平均年齢が高いので、やや高いですね。)

薬局名 平均年収 平均年齢
アインファーマシーズ 616.0万円 39.0歳
日本調剤 557.3万円 34.4歳
クラフト 488.1万円 32.1歳
クオール 472.1万円 34.7歳
総合メディカル 450.3万円 36.0歳
アイセイ薬局 528.4万円 35.4歳

 

一方、中小薬局の場合は、大手薬局よりも高く、転職時に700万円以上出る場合もあります。特に、門前薬局でなかなか採用ができていない場合は、ドクターの信頼を失わないためにも、700万円以上出しても採用するでしょう。また、詳細な人事制度がない場合が多いので、良くも悪くも社長の決定で給与が大きく上がる可能性が有ります。

 

働きやすさ

働きやすさについては、全般的にチェーン薬局の方が良いです。

まず、店舗環境に関しては、チェーン薬局は店舗デザインが共通化されているので、薬剤のピッキングや電子薬歴システムの使い方等、店舗を移動しても迷うことはありません。また、薬剤師の生産性を上げるために、最新の設備や自動分包機を導入していたりするので、その点も良いかもしれません。

また、人間関係にトラブルが合っても、近くに別の店舗がある中規模・大規模薬局の場合は、別の店舗に異動する事もできます。一方中小薬局の場合、異動という選択肢が取れないので、その点は問題です。

また、女性の働きやすさとして、産休・育休も大事ですが、産休・育休の取得自体は法律で決まっているものの、「実際の取りやすさ」が大事です。また、復帰後どれだけフレキシブルに休めるかというのもママ薬剤師にとっては重要です。大手であれば、近隣の店舗からヘルプも呼べますし、実際に産休・育休を取得した人が既に多数いますので、周りの理解も得られやすいです。一方、小規模薬局の場合、産休・育休中には別の薬剤師や派遣の薬剤師を探してこなければならないので、ちょっと気を使います。ただ、大手の場合は制度外の事はあまり実現できないですが、中小薬局の場合は社長が色々と柔軟に対応してくれる事もあるので、それについては大手よりも良いですね。

唯一、チェーン薬局でネックとなるのが、転勤の可能性です。もちろん断ることはできるのですが、チェーン薬局で高い給与をもらっている薬剤師は、地方に転勤して地方手当をもらっている人だったりするので、転勤の意思がない方は、その点を考慮して年収を計算した法が良いかもしれません。ちなみに、私が人事をしていた時には、人手が足りない地域のために派遣薬剤師を雇っていましたが、その派遣薬剤師が駅近の店舗でしか働きたくないという希望だったので、その駅近の店舗に派遣薬剤師を配置して、その駅近の店舗にいた正社員の薬剤師を別の駅から遠い店舗に異動させたという事例がありました。薬剤師数の充足が最優先なのは分かるのですが、なぜ派遣社員の方が優遇されるのか、、、なんだか正社員が割を食ってるな、、、と感じました。

 

福利厚生

福利厚生は、大手薬局の方が良いです。上場している場合は、自社株を有利な条件で購入できる持株会制度や、自社製品の社員割引、企業年金(確定拠出年金、毎月拠出した分は節税となる)や退職金制度などの大手企業ならではの福利厚生があります。また、社会保険も業界団体向けの健康保険組合(全国化粧品健康保険組合、東京薬業健康保険組合など)に加入しているので、リゾート施設やホテルの割引やディズニーランドやフィットネスクラブ等の施設割引がついてきます。

薬局チェーン上位5社の主な福利厚生

薬局チェーン名 主な福利厚生
アインファーマシーズ リゾート施設の割引、スポーツ施設優待、社員割引等
日本調剤 リゾート施設の割引、持株会、ゴールドカード優待入会(年会費無料)、社内預金等
クラフト リゾート施設の割引、退職金制度、社有・借上社宅制度、育児休職二年制度等
クオール リゾート施設の割引、従業員持株会制度、法人契約保養施設、退職金制度等
スズケン(ファーコス) リゾート施設の割引、企業年金、財形貯蓄、持株会、住宅ローン金利優遇等

一方、中小薬局の場合は、退職金等制度等や自社株等の制度はない場合が多いです。また、社会保険も「協会けんぽ」という中小企業向けの健康保険組合に所属している可能性が高く、ホテルや保養施設、スポーツジム等の福利厚生はありません。

しかし、福利厚生は利用しない人がほとんどなので、、実際はあってもなくてもあまり変わらないという場合もあります。実際、私が人事をしていた時は、「福利厚生を充実させるよりも、年収が10万円高い方がはるかに嬉しい」、という声を頂いた事も・・・。

 

教育研修制度とキャリアアップ

教育研修制度は、大手薬局の方が優れています。特に新卒の薬剤師にとっては、たとえばアイセイ薬局が豊富な研修プログラムを組んでいたりと充実しています(今の薬局は、国家試験対策までしてくれるのですね、、、驚きです)。また、中途薬剤師の場合も、日本調剤が認定薬剤師の単位にもなるJPラーニングというeラーニングを開放していたり、アインファーマシーズが大学院奨学資金制度を作っていたりと、豊富にあります。困った時は、設置されている場合は、DI室に問い合わせる事もできます。一方、中小薬局の場合、特に中途の場合はOJTしかない場合が多いです。

また、キャリアアップに関しても、大手薬局の場合は、調剤薬剤師→管理薬剤師→エリアマネージャー/マネージャーというようなマネジメント業務や、採用担当・教育担当、店舗開発等のコーポレート職にもトライする事が可能ですが、中小薬局の場合は管理薬剤師で止まってしまうという可能性が高いです。

 

M&Aによる経営方針変更のリスク

最後に、どこのサイトにも書かれていませんでしたが、中小薬局の薬剤師にはM&Aされる事で働き方が大きく変わるリスクがあります。

大手薬局が中小薬局をM&Aして傘下に収める事案が増えてきましたが、M&Aされた後にその従業員がどうなるかは、買収企業によって大きく異なります。私が所属していた大手薬局は、可能な限りその薬局のオペレーションを買収した薬局に導入させるので、退職者が続出します。現に、買収後はほとんど既存の従業員が残らない前提で、買収後すぐに薬剤師の採用をスタートさせていました。また、時期を見て人事制度を買収元の大手薬局の制度に合わせていくので、もともと給与が高かった薬剤師には「前社長の方針のもとあなたの給与は高かったが、今の給与テーブルに合わせると外れている。よって、今後給与が上がる見通しはかなり薄い」という事が伝えられたりします。結果、従業員がガラッと入れ替わる可能性は非常に高いです。

もちろん、これは買収元の方針次第なので、薬剤師の採用力がない薬局はそんなことせずに、なんとか薬剤師を引き留めようとします。買収後の薬剤師を大事にする薬局チェーンも有りますが、どの薬局チェーンに買収されるかは運なので、そういった災難を避けたい場合は、大手薬局に入社した方が無難ですね。

まとめ

まとめると下記の通りです。大手チェーンの方が良さそうという結果になりましたが、もし700万円以上という高い給与を狙うのであれば、中小薬局を狙うのも有りですね。

中小薬局 大手チェーン薬局
給与相場 ○(高い場合有り) △(普通)
働きやすさ △(場合による、柔軟) ✕(制度が充実)
福利厚生 ✕(少ない) ○(多い)
研修制度 ✕(OJTが中心) ◎(充実している)
キャリアの幅 ✕(幅が狭い) ◎(幅が広い)
M&Aのリスク ✕(リスク有り) ◎(リスク無し)

 

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